これを知っておけばきっと行動するはず!―脱PPAPをすることによるメリット

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ビジネスの現場では今もなお「PPAP(パスワード付きZIPファイルのメール送信)」が広く使われています。しかし、セキュリティリスクや業務の煩雑さが問題視され、政府や大手企業を中心に「脱PPAP」が加速しています。
この記事では、PPAPを廃止することで得られる3つのメリットを、わかりやすく解説します。脱PPAPを進めるうえでの代替手段や、導入成功のポイントまで詳しく紹介しますので、セキュリティと業務効率を高めたい担当者の方はぜひご一読ください。
PPAPについて、詳しく知りたい方はこちらのブログ記事「PPAPとは?その仕組みと問題点、代替策まで徹底解説」もぜひご覧ください。


PPAPとは、パスワード付きZIPファイルをメールで送り、別のメールでパスワードを送信するというファイル送信手法の俗称です。この手法は「Password付きzipファイルを送って、Passwordを送る」の頭文字を取ったもので、2000年代初頭から日本の企業や官公庁で標準的に使われてきました。

しかし、PPAPはセキュリティ上の意味が乏しいことが以前から指摘されていました。なぜなら、パスワードとファイル本体が同一経路(メール)で送られるため、盗聴や誤送信が起きれば情報漏洩の危険性が極めて高くなるからです。また、受信者がZIPファイルを展開し、パスワードを入力して閲覧するという手間も、業務効率を著しく下げてしまいます。

こうした背景を受け、2020年11月、当時のIT担当大臣・平井卓也氏が「内閣府・内閣官房のPPAP廃止」を宣言し、政府全体の方針として「脱PPAP」がスタートしました。これは脱ハンコに続く“デジタル改革”の象徴的な政策であり、多くの企業にも影響を与える大きな転換点となりました。

ディッキー先生
ディッキー先生

子供のころ、学校の先生に
「先生たちがした失敗をしてほしくないから、学校でお話をしてるんです」
と言われました。
失敗やリスクから学び、それを言葉に、形にしていくことが大切なんだよね。

PPAPが長らく慣習として続けられてきた背景には、「一応のセキュリティ対策として見える」「メール文化に適応している」という表面的な安心感がありました。しかし、実際には多くの問題点が存在し、セキュリティ対策としてはほぼ無力であることが明らかになっています。

ZIP暗号の脆弱性とマルウェア検知漏れ

PPAP最大の問題点は、ウイルス対策ソフトによる検知が困難になることです。なぜならZIPファイルは暗号化されているため、メールサーバ上でのウイルススキャンができないからです。

攻撃者がマルウェアを含むZIPファイルを送信し、後からパスワードを送れば、受信者側のセキュリティチェックをすり抜けることが可能となるとされています。

誤送信・同一経路送信リスク

PPAPでは、ZIPファイルとパスワードが同じメール経路で送信されるため、第三者に不正アクセスされれば簡単に解読されてしまうリスクがあります。また、送信ミスにより誤った相手にファイルを届けてしまった場合、パスワードも併せて送られているため、情報漏えいの被害が即座に発生するという危険性があります。

復号に伴う手間と生産性低下

受信側にとってもPPAPは煩雑な運用です。
ZIPファイルをダウンロードし、パスワードを手入力して解凍する操作は一見些細に思えますが、日々何十通も扱うビジネスメールの中で大きなストレスと業務負担になります。特に、スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末での閲覧が難しく、テレワーク環境との親和性も低いという課題も浮き彫りになっています。


このように、PPAPはセキュリティ・利便性の両面で時代遅れとなっており、脱PPAPの動きは避けられない流れと言えるでしょう。

PPAPを廃止することで得られるメリットは、単なるセキュリティ向上にとどまりません。業務効率の改善や取引先との信頼関係の強化など、企業活動全体にプラスの影響を与える効果が期待できます。ここでは特に重要な3つの観点から脱PPAPの利点を解説します。

セキュリティ強化

最も明確な利点は、情報漏えいリスクを大幅に削減できるという点です。パスワード付きZIPファイルではなく、クラウドストレージやファイル転送サービスを活用することで、パスワードとファイルを分離したり、ワンタイムURLを使用することが可能となります。

共有リンク機能では、ダウンロード制限・閲覧専用モード・有効期限付きリンク・アクセスログの取得といった高度な制御が行えます。これにより、受信者にファイルを安全に渡しつつ、万が一の誤送信にも対応可能な仕組みを構築できます。

また、クラウド側でマルウェアスキャンやウイルスチェックを行えるため、Emotetなどの被害を未然に防止する体制を整えやすくなります。

ディッキー先生
ディッキー先生

Emonetとは、
主に電子メールを介して、情報窃取などを行う悪意ある活動のことを言う。
なりすましや、ウイルスへの感染をさせるものなんだ。
あっぶねぇよなー。

業務効率化

脱PPAPによって得られるもう一つの大きな恩恵は、業務の生産性向上です。従来のようにZIPを解凍してパスワードを入力するといった手間が不要になり、URLをクリックするだけで即座にファイルにアクセス可能になります。

特にテレワークやモバイルワークが浸透する中で、スマートフォンやタブレットから安全かつ簡単にアクセスできる環境が求められています。クラウドストレージでの共有はこうしたニーズに対応し、社員の作業時間短縮・ストレス軽減に貢献します。

さらに、共有リンクの一元管理によって情報の更新や削除も簡単に行えるため、複数回の再送信が不要になるなど、全体のコミュニケーションロスも削減されます。

取引先・顧客の信頼向上

セキュリティや業務効率の向上は、自社内にとどまらず対外的な信頼性の向上にも直結します。特に、PPAPの受信を拒否する企業が増加傾向にあることを考えると、今後のビジネス継続性を考慮しても、脱PPAPは避けて通れない道といえます。

一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)が2022年に発表した調査によると、「PPAPを受け入れているが、将来的には拒否する方針」という企業は**全体の32.6%**にのぼりました(※2022年3月時点)。
つまり、脱PPAPに対応していないことで、将来的な取引機会の損失につながるリスクがあるのです。

加えて、情報管理体制の整備はコンプライアンスやISMS認証取得の観点でも高評価を得られるため、新規取引や契約審査の際における企業価値のアピール材料にもなります。


このように、脱PPAPは単なる「セキュリティ強化策」ではなく、企業の競争力や信頼性を高める戦略的な取り組みでもあります。

脱PPAPは理論上の理想にとどまらず、すでに多くの官公庁・民間企業で実際に導入が進められています。ここではその代表的な事例を紹介し、各組織がどのような目的で脱PPAPを実現したのかを確認しましょう。

官公庁――デジタル庁(旧:内閣府・内閣官房)のケース

日本における脱PPAPの象徴的な事例が、政府機関による全庁的な廃止宣言です。
2020年11月、当時のIT担当大臣・平井卓也氏が「PPAPはセキュリティ対策として意味がない」と発言し、内閣府および内閣官房ではZIP添付+パスワード送信を禁止する方針を表明しました。

これを受けて、2022年から発足したデジタル庁では、クラウドストレージを用いたファイル共有に一本化。具体的には、ファイルをクラウドにアップロードし、関係者へアクセスURLを共有する方式を徹底しています。これにより、セキュリティの担保と業務のシンプル化を同時に実現しました。

製造業

大手製造業である某企業も、脱PPAPに向けて積極的な社内改革を実施してきた企業の一つです。2021年以降、グループ全体でファイル共有の仕組みを統一し、機密文書や設計図面のやり取りをクラウドベースで完結できる体制を整備。

この取り組みによって、従業員の作業工数が削減されたのみならず、グループ全体でのセキュリティ水準を平準化することにも成功しています。

ITベンダ

SIerやITベンダーも脱PPAPの先駆者です。
某情報通信企業は2020年の段階で、「ZIPファイルの添付とパスワード送信は非推奨」と社外に明言し、クラウドストレージサービスへの切り替えを完了。また、同業種の企業なども同様に、自社からのPPAP送信をやめたことを公式発表しています。

こうした動きは、顧客企業に対してもクラウド移行の必要性を啓発する立場を取っていることを示しており、脱PPAPがBtoB関係の信頼性にも直結していることを物語っています。

ECショップ運営

法人向けオンラインショップの記事では、ある中堅IT企業がファイル共有環境を導入した事例が紹介されています。

この企業では、顧客情報や契約関連ファイルのやりとりにおいて、従来のPPAPでは誤送信や閲覧遅延が大きな課題となっていました。導入後は、社内外問わずスピーディかつ安全にファイル共有できる体制が整備され、業務効率が劇的に向上したと報告されています。


このように、脱PPAPは政府主導の動きにとどまらず、実際の現場で成果を上げている成功事例が多数存在します。企業規模や業種を問わず、今や“脱PPAP”は共通課題となっているのです。

脱PPAPはツールの切り替えだけで完結するものではなく、社内文化・運用ルールの転換も伴うプロジェクトです。導入をスムーズに進めるためには、情報システム部門と現場部門の連携が不可欠です。以下に、成功事例に共通する実行ステップを紹介します。

情シス主導のポリシー策定と稟議ポイント

まずは情報システム部門が主導し、「脱PPAPをなぜ行うのか」「どの手段を採用するのか」について明確な方針とルールを策定します。
この段階では、取引先対応・外部公開ポリシー・ファイルの取り扱い区分(機密/一般)なども含めて全社共通ルールを作成することが重要です。

加えて、稟議や予算申請の場面では「セキュリティ強化と業務効率向上の両面でROI(費用対効果)が見込める」という点をロジカルに説明できる資料が効果的です。

利用部門への周知&教育

新しい仕組みを導入しても、現場が従来のPPAP運用に慣れている場合、定着しないリスクがあります。
そのため、導入初期は丁寧な説明会やマニュアル配布、Q&A対応の体制構築が必要です。

特に外部とのファイル共有が頻繁な営業部門・経理部門などでは、取引先に説明するテンプレートや連絡文の提供も喜ばれます。最初の3ヶ月は試用期間として様子を見ながら、段階的な全社展開を目指しましょう。

脱PPAPはセキュリティ対策だけでなく、業務効率や対外的な信頼性を高める重要な施策です。
政府や大手企業の事例を参考に、自社に合った代替手段を選び、計画的な社内展開でスムーズな移行を実現しましょう。

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